カモメちゃん

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「本はファッションの一部」を座右の銘に、自分らしさを伝えるツールとしての、「本」の楽しみ方を紹介するブログを書いています。 書を捨てて町へ出た人のための、令和版「文豪的暮らし」。 忙しい毎日だけど、ちょっと一息、空を見上げてみましょう。 ほら、のんびりカモメが飛んでいます。開いた本の形みたいに。

鷗乃綾香の初エッセイ集「きなこもち奉行」より「赤をめぐる時間」と書かれた横に書影の画像

鷗乃綾香の初エッセイ集「きなこもち奉行」より|「赤をめぐる時間」全文公開!

2023/12/24  

「赤をめぐる時間」 網戸の向こうに青空が見える。雲が風に流されている。あれが水蒸気の集まりでできているなんて、科学の知識が無かったらおそらくわたしは信じないだろう。太陽に照らされている側が白っぽい金色 ...

「窓の魚」書影,ブログタイトル、鯉のイラスト

西加奈子「窓の魚」|普通に生きている「あのひと」の、孤独の深淵を泳ぐ

2023/7/30  

西加奈子がしゃべっている姿を見るのが好きだ。直木賞の記者会見の時や、テレビ番組で又吉直樹や中村文則と話しているのを見るとき、なんてまっすぐで、言葉に対して真摯に向き合っている人なのだろう、といつも目が ...

池澤夏樹,スティル・ライフ

池澤夏樹「スティル・ライフ」|芥川賞|バブル期の薄暗い青春を描く、どこまでも優しいまなざし

2023/7/15  

池澤夏樹の作品を読んでいると、ふっと浮かんでくる光景がある。それは小学校のとき、誰もいない図書室でぼんやり眺めていた古い本棚とか、いつか閑静な住宅街を散歩している時に目に入った、昭和期に建てられたであ ...

予告された殺人の記録,風の時代に読むべき名著

G・ガルシア・マルケス「予告された殺人の記録」|風の時代に読むべき名著【あらすじ・感想】

2023/7/5  

ノーベル文学賞作家のガルシア・マルケスに影響を受けた、作家、映画監督、クリエイターは古今東西、数多くいる。「表現」というものに興味を持っている人であれば、きっと誰もが、すでにどこかでガルシア・マルケス ...

家守綺譚

梨木香歩「家守綺譚」|家守って興味ある?庭に池あり家賃ゼロ。河童に小鬼もやって来る!

2023/6/29  

百年、と聞くと多くの文学好きがパッと思い浮かぶイメージがある。 それは夏目漱石の、こんな夢を見た、という言葉から始まる「夢十夜」のワンシーン。仰向けに寝た女がもう死にますと言い、枕元に座っている主人公 ...

第七官界彷徨

尾崎翠「第七官界彷徨」|あの幻の昭和モダニズム小説は、今どきシティーガールが主人公!?

2023/7/24  

今まで尾崎翠を知っている人は、よほどの文学オタクだけであったように思う。 短い作家活動の期間ではあったが、現代においても新しく、独特な世界観で、一度読んだら忘れられない作風だ。 近年、再評価が進んでい ...